「移住して農業」
何となく憧れたこと、ありませんか?
私たち家族は2年半ほど前に移住して、1年ちょっと前に梨農家として就農しました。
そこに至るまでどう決めたか、お話したいと思います。
まず、移住する場所。
温暖な場所か寒い場所か
海か山か、両方か
知り合い、縁、思い入れ。何かあるか?
また、農業をするというのが前提であった為、
作物は何にするのか?
就農支援があるのか?
以上の様な条件から候補をあげていきました。
それから、旅行がてら下見に行きました。
その場所で移住相談のプロと話したりして気づいたのは、いわゆる一般的な農業を始めたい人は「作りたい作物の産地に行く」という決め方をするということ。そして、そうやって産地に入って行くのであれば、その作物に対する情熱が必要である、らしい。
残念?ながら、私たちに特にこれ!といった心に決めた作物は無く、何が商売として儲かるか、労働時間と単価の話をする事が多かったのです。
農業とは言え、趣味ではなく商売です。
それなのに、「これからの世の中では何が売れるのか。何を作るべきか」ではなく
「何を作りたいか」
「何に一生懸命になれるか」
といった話しになるのが少々不満でした。
やや納得がいかないながらも、果樹にすると決め、あとは新規就農するにあたって問題になりうる、資金・技術・土地の支援があるかどうかで場所を探しました。
特に、果樹は植えてから収益が出るまでの期間が長いので、支援制度は重要なポイントでした。(あと、私たちの性格上、地域全体での防除などが多く自分で考えて好きな様に作ることができなそうな所は除外しました。)
結果、梨に落ち着いたのですが、特に儲かる作物という訳でもありません。
今いる地域では、梨の木を引っこ抜いて桃にしたりぶどうにしたりする生産者が多くいます。まぁ、だからこそ梨の産地を守ろうという動きがあり、支援制度もできた訳なのですが。
この場所で、いちから梨を作っていけるのか。それとも、上手くいかず何にも“なし”になってしまうのか。
今はまだ、始まったばかりです。
ちなみに、移住してから思ったこと。
温暖化の影響を考慮に入れて住みやすさ追求で作物を選んでも良かったかも。
あと、やっぱり果樹は敷居が高い!既成園を借りるのが必須なのに、既成園を貸そうという人がなかなか居ない!
何処に移住するか。
好きな漫画に書いてあったのですが、
「大切なものがそこにあるかどうか」
とても同感します。
その1点に尽きるといっても過言ではないくらいだと思います。