新規就農にあたってまず必要なもの、お金。
調達方法のひとつとして、農林水産省が新規就農する人を対象に出している就農準備資金と、経営開始型資金があります。
交付してもらうにはいくつかの要件を満たす必要があり、経営開始型資金を希望していた私たちが何とかしなければならなかった主な要件は
- 就農時の年齢が、原則49歳以下の認定新規就農者であること
この、認定新規就農者、というのになるのがなかなか大変でした!
(書類作りがあり、面接があり…詳細はまた後日にでも。)
- 独立、自営就農であること
生産物の出荷はもとより、施設や機械、農地の所有や利用権の設定が必要!
要は、これまたやっかいな土地問題です。
また、この資金には夫婦型というのがあり、1.5人分の交付を受けられます。私たちも、希望しました。
夫婦で就農したことを示す為には、「家族経営協定」を作ります。
家族経営協定とは、家族で農業をするにあたって家事育児の役割り分担について取り決めをしたり、休日の取得について言及したりするもので、夫婦で行う場合、両者の合意が必要です。
何とか書類を全て提出し、審査を受け、通過し、これで資金が許可され、今後給付を受けられるはずでした!
が。
経営開始した後には、半年に1度の現状報告というものが必要になってきます。提出書類としては
- 市から渡された書類に記入したもの(質問事項としては、新規就農者向けの研修の参加の有無や今後の方針など)
- 通帳のコピー
- 作業日誌
- 半年分の帳簿 です。
これを提出した後には現地視察が入ります。
なかなか厳しい💦
が、さらに厳しいチェックがありました。
夫婦型資金の交付継続要項には
「農業生産に携わる時間が、年間を通して150日以上、1200時間以上あること」
という条件がありました。
この時間数を週間で考えると、
年間52週あるうち、2週間程を各実家への帰省を含めた休日とすると、残り50週。
1200時間を50で割って24。
1週間で24時間。
なーんだ、楽勝♪と思いますか?
この時間数を、保育園に通う子供中心の生活に、あてはめてみて下さい。
出席停止になる病気に、子供が年何回かなればアウトでは?
親に移れば、尚更です。
土日や夕方遅くまで働く事で労働時間を確保しようとすると、割をくうのは子供です。
この時間数が、給付を受けられる「最低ライン」なのです。
小さい子供に我慢させてギリギリ最低ラインを超えたとして、貰えるのはプラス0.5人分です。
夫婦型にするメリットに疑問を抱いてしまいます。
研修は受けたけどまだまだ経験が足らず四苦八苦中の夫と、完全初心者の妻。
何かと母親を求めるちびっこ。
この環境を考慮して作ったはずの「家族経営協定」は、経営開始型資金の給付要件の前では効果を示さない様で、1人1人の労働時間数が審査にかけられます。相方が最低労働時間の倍近く働いていても、もう片方が時間数達成できていなければ、夫婦型としての交付は受けられません。
1.5人分貰えるなら、もちろん夫婦型!と思っていた私は、少々安直すぎた様です。
夫婦型にするか、経営主一人分だけにするか。
自分たちの生活環境をよくよく考え、判断するのが良いのでしょうね。