いちからなし

新米梨農家のあれこれ

豊水の時期も過ぎようとしています

幸水が終わった後は、豊水です。

 

お盆の後、8月後半くらいに収穫です。

 

果汁が豊か、ということで豊水と名付けられているとかいないとか。

幸水と聞き違えやすいから、梨農家は「さち」「ゆたか」と呼び分けたりします。

 

豊水派?

果汁いっぱいで、実が柔らかめな豊水

いわゆる梨っぽいシャキッとした食感が好きな人には、あまり豊水は向かないかもしれません。

が、ファンは確実にいます。

酸味があるので、熟すると甘みと味の濃さが増し、本当に濃厚な味になります。

うちではあまり作っていませんが、作っている梨の半分が豊水、という農家さんもいます。

 

しかし、この豊水には、難点が。

豊水は、蜜症、いわゆる「水梨」になりやすいです。

 

これまた厄介なことに、外見からは分からない

 

切ってみて初めて、あ、水梨だ。と分かるのです。
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蜜の入っているリンゴの様です。

リンゴなら、当たり!ですが、梨の場合は・・・。

 

甘いは甘いのですが、食感が、古びたリンゴの様にモクモクなのです。

梨としては、アウト!と判断される場合が多いでしょう。

 

このリスクを分かっていながらも豊水好きは、豊水を選ぶのです。

 

 

ちなみに、うちでは豊水をほとんど作っていません。

豊水の木は、ほとんど花粉採り用として花を摘んでしまいます。

 

それでも、残った花が自然に交配しているもので。

品種が色々植わっている園地なので、風や、虫が他の品種の花粉を運ぶのでしょう。

交配していた豊水は、そのまま育てます。

そして、ぼちぼち出荷します。

直売も行っていますが、買ってくれたお客様もいました。ありがたいです。